その11

楽しいマスキング

Part4

造型村GKサーフェイサーの上に、HGホワイトを吹き付けたところから再スタートです。まずは、Mr.カラー8番の銀(シルバー)を吹き付けるところから始めましょう。塗装するパーツは、前項とは別のロボットのスネパーツです。
エアブラシ塗装に限った話ではないのですが、銀や金、黒鉄色といったメタリック系の色は、塗料の中に微細なメタリック色の粉末が混入されており、時間が経つと塗料内部で沈澱して行きます。そうなると、吹き付けるたびに違う色になってしまいますので、左のように「うがい」をさせ、エアブラシのカップ内の塗料を撹拌してやる必要があります。
スネパーツのヒザに当たる部分の、一段彫り下げられたモールドの底面のみを金色に塗りますので、どさくさまぎれに代表的な金塗装のテクニックもご紹介しましょう。まずはそのモールド部分を、銀色に塗ってやります。
次に、Mr.カラー47番のクリアーレッドと、48番クリアーイエローを用意します。右下にちらっと見えているのは調合用の空き瓶です。
調合用の空き瓶に、クリアーイエローを瓶の容量の半分弱注ぎ込み、そこにクリアーレッドを極少量混入して、薄いクリアーオレンジを作ります。
爪楊枝の先から3滴ほど、クリアーレッドを垂らしました。経験上、だいたいこんなもんだろうという目安が付きますが、この混合比率によって、最終的な金色の色合いがまったく違うものになりますので、実際に色々試してみることをオススメします。
ちょっとピンぼけで申し訳ありませんが、先に吹いた銀の上に、上で作ったクリアーオレンジを吹き付けたところです。金色に見えるでしょうか? 今回は2度、吹き重ねていますが、これも3度、4度と重ねることで違った色合いが表現出来ますので、是非お試しください。
クリアーオレンジが乾燥したら、マスキング作業に入ります。ご覧のとおり、10mm幅のままではテープのはり様がありませんので、さらに細く切る必要がありますね。
で、左のように細く切り出したテープをはりつけました。赤い矢印で指した「辺」の直線を活かし、画面上方の折れ角部分にテープを余らせる形ではりつけます。
う〜ん、説明がややこしい・・・
ちょっとわかり難い画像ですが、上で書いた「余らせた」部分のテープを、爪楊枝等の先端で押し付け、折れ角の部分に密着させます。もちろん、直線を活かした辺の部分も同様に密着させましょう。
密着させた折れ角の部分に、デザインナイフの刃を当てて、余分なテープを切り離します。刃を当てる際はイラストのような角度を取ります。パーツの表面に傷が付くんじゃないの?と思われるかもしれませんが、まさしくその通りなので、テープの厚み分だけを切る感じで刃を潜らせます。文字にすると簡単ですが、刃先がすべってパーツ表面の目立つ部分を傷つけてしまうと修正が大変なので、慎重な作業が要求されます。
これも見難い画像ですが、余分なテープを切り離したところです。上で書いたように、パーツ表面を傷つけても困りますが、力加減が足りず、テープが切れないという状況も困りますので、やはり経験を積んで、感覚を身に付ける必要がありますね。
同じ要領で、左半分にもテープをはりつけます。実にちまちました作業ですが、美しい仕上がりのために忍の一字でがんばりましょう。
今度は上半分をマスキング。ここでは矢印で指した部分の直線を活かしてテープをはっています。
余った左右を切り離します。カッターを当てる前に、爪楊枝の先でテープを密着させたことは言うまでもありません。なお、カッターの刃は常に新品を使いましょう。切れ味が鈍ったままの刃先を使うと、テープが上手く切れないため、思わぬ失敗を招きます。
言うまでも・・などと言いながら、初めて登場の爪楊枝を使っている画像です。塗り分けラインになるモールド底面の折れ角部分のテープのふちを、軽くこするようにして密着させるわけです。
ここまでの手間をかけて、ようやくヒザ部分のモールドのマスキング完了となるわけです。

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