その11

楽しいマスキング

Part1

 マスターグレードを代表とする最近のガンプラは、設定上色分けされている部分があらかじめパーツ分割されていることが多いため、塗装を施すにあたってのマスキング作業がほとんど必要ありません。しかしそれだけに、いざ塗り分けが必要となった時に、どうやれば上手く出来るのか良くわからない→マスキングが苦手→塗装が嫌い・・という事態に陥るケースが多いようです。この項では、比較的単純なマスキングによる塗り分けの行程をご紹介することで、実はそれほど難しいことではないという事実をご理解いただきたいと思います。まぁ、手間がかかることは確かですけどね(笑)

※マスキングって、何??
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今回はガレージキットの塗装を例に、作業の流れをご覧いただきます。もちろん、普通のプラキットでもマスキングの方法は何ら変わないので、安心してご覧ください。
レジンキャスト製のガレージキットを塗装する場合は、とにもかくにも下地を作らなければなりません。離型剤をしっかり落してバリの処理をした後、ボークスさんから発売されている「造型村GKサーフェイサー」を吹き付けます。左の画像は、そのサフをパーツに吹き終えたところです。
こちらが今回使った、ボークスさんの「造型村GKサーフェイサー」。1000円前後で販売されているようです。メカ&リアル専用と缶に書かれていますが、どうやらフィギュア専用に開発された肌色の製品もあるようです。
また、最近知ったことなのですが、このサーフェイサー、レジンキャストにはガッチリ食い付くのに、普通のプラスチックに吹き付けると、こすっただけで剥がれてしまうので、プラモデルの塗装には使わない様に注意しましょう。
レジンキャスト専用のサフを吹いた後、上に塗り重ねる色の発色を良くするため、いつもはクレオスさんのベースホワイトで下地を作るのですが、今回はウェーブさんから発売されている「ハイグレード・ホワイト200」という塗料を使いました(200ml入り税別1200円)。発色が良いので混色にも下地にも使える、とラベルに書いてある通り、ベースホワイトとまったく同じ使い方が出来る上、普通の白の塗料として使っても何ら問題のない優れモノです。クレオスさんのMr.カラーが10mlで120円ですから、使い勝手の良さを考えたら、お買得だと思いますよ。
このハイグレード・ホワイト(以下、HGホワイト)は、クレオスさんのMr.カラーうすめ液を使ってうすめる事が出来ますので、ラッカー系塗料をご使用の方なら、従来通りの感覚で使えます。ただ若干、濃度が高いようなので、うすめ液との混合比率には注意が必要です。
で、HGホワイトを吹き終えました。グレーのままのパーツもいくつか見えますが、それらは黒やグレーといった暗い色を塗る予定なので、白い下地を作る必要が無いわけです。
マスキングの解説記事のどさくさにまぎれて、パーツのエッジにシャドウを残すグラデーション塗装の解説もしてしまいましょう。まずは白い部分のシャドウ吹きです。Mr.カラー40番のジャーマングレーと、1番の白(ホワイト)を用意します。
今回、白の残りが少なかったため、瓶に直接ジャーマングレーを注いでいますが、通常は塗料皿等を使用します。正確な混合比率は言えませんが、白10に対して、ジャーマングレーを5〜6といった感じで混ぜています。
明るいグレーが出来たところに、青系の色味を加えるため、5番の青を混入します。画像がありませんが、様子を見ながら数滴ずつ垂らして行き、好みの色を作ります。
左が、青を加えて出来上がったシャドウ用のグレー。右は何も混ぜていない普通の白です。両者を指の爪に塗ってみて、白とのコントラスト差を確認しています。今回は薄めのシャドウを目指したので、このくらいでOKとしました。
HGホワイトを吹いたパーツ(これはスネパーツです)の、白く塗ることになる部分のエッジに、先に作ったシャドウ用グレーを細く吹きます。私もそう上手い方ではありませんが、エブラシを使った細吹きが出来ないというご質問をよくいただきます。これはほとんどの場合、経験不足が理由だと思われるので、何度も練習してエアブラシとパーツとの距離や、エアブラシを動かすスピード等、感覚を掴みましょう。
エッジに塗ったグレーが乾燥したら、そのシャドウをかすかに残す感じで、普通の白で面を塗りつぶします。左の画像はライティングの関係で塗装の感じがよくわかりませんね。下は太もものパーツですが、同じ手順でシャドウと白を塗ったものです。こちらは比較的上手く写せたので、だいたいの雰囲気がご理解いただけると思います。
     

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