その8

サーフェイサー基礎知識

Part5


5:改造部分の表面を均一にする


最近ではパテを使った大改造や、フルスクラッチなどと
いう高等テクニックも、一般化して来たように思います
が、こうした工作に良く使われる、エポキシパテやポリ
パテといった造型剤は、プラスチックに較べて、塗料が
(模型用ラッカー塗料)強く食い付いてくれません。また、
下の2点の画像のように、種類の違う素材をあちこちに
節操なく使ってしまうと、それぞれの硬さが違うため、
ペーパーがけの際に均一に削れず、材料どうしの境目が
段差になってしまう場合もあるのです。そこで、サフに
よる入念な下地作りが必要不可欠となるわけなのです。



上:上下2点とも、フルスクラッチの途中画像なのだが、ポリパテ、
エポキシパテ、スカルピー、レジンキャスト、アクリル、
プラ板、プラリペアと、あらゆる材料を駆使して形を出し
ている造型剤のオンパレードといった感じ。

こちらは、もともとのパーツにエポキシパテ(ミリプット)を盛り付けてボリュームアップした改造例。このように、表面に異なる材質が並んでいる場合などは、特に下地を整える必要がある。

これは、Mr.サーフェイサー1000をエアブラシで薄めて吹き付けた状態。この状態の前に、一度サフを吹き付けて傷をチェック、入念に仕上げ直してあるため、実にキレイな下地が出来上がっている。

上の状態のパーツに、Mr.カラー159番のスーパーシルバーを吹き付けたのがこちら。銀色に塗る場合などは、もっとも傷が目立ちやすいので、特に入念な下地作りが必要である。

サーフェイサーによる下地作りは、絶対必要なのかと
いうご質問を、何人かの方からいただき、それをきっ
かけにこの記事を製作してみたのですが、要は自分が
どこまでこだわって、その作品に立ち向かうかにかか
っていると思うのです。例えば、パーツの合わせ目は
絶対に消さなければいけないのでしょうか。スミ入れ
やエアブラシ塗装をしなければ、模型を作ってはいけ
ないのでしょうか。特殊な場合は別として、模型を作
るという行為に、「こうしなければいけない」とか、
「これをやらなきゃダメ」だとか、そういった制約は
一切無いと思うのです。こうしてご紹介した技法も、
あくまで参考程度にとどめておいて、焦らずのんびり
末永く、模型という素敵な趣味を楽しみましょう。
その上で、よりカッコイイ完成品を作りたくなった時
に、もう一度このコーナーを見てくださいね・・・。


上:これらは普通のプラスチックには適さない
強い溶剤を使ったサーフェイサー。
主にガレージキットの製作等に使われている。


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