その3

塗料の種類について


プラモデル用の塗料には、大きく分けて3種類ありますが、
ここでは渋川が主に使用している2種類を紹介しましょう。

グンゼ産業
Mr.カラー
定価120円/本

模型店でいちばん良く見かけるのが、上のタイプの物でしょう。
これはグンゼ産業というメーカーが発売している、Mr.カラー
という商品名の塗料です。これはラッカー系と呼ばれる塗料で、
キャラクタープラモデルの基本塗装に最適な物と言えます。  
発売されている色数が豊富なのも魅力ですが、渋川は上の画像に
写っている、白、黒、赤、黄、青、の5色に加えて、フラットベ
ース(艶消し剤)を混ぜ合わせることで、様々な色を作り出すこ
とにしています。ごく狭い面積のパーツを塗るために、複雑な色
の塗料を買ってしまうと、そのパーツを塗ったが最後、二度と使
うことがなくなり、カチカチに固まって捨てるのがオチ・・・・
というパターンに陥りやすいのです。もちろん、金や銀といった
メタリック色や、クリアー(透明)カラーなどを使いたい時は、
それぞれ専用の色を使わなければなりませんが、それ以外ならば
ほとんどの色が作れますので、無駄も減り、経済的でもあると思
います。ちなみにフラットベースというのは、塗料にまぜること
で乾燥後の塗装面のツヤを消すことが出来るものです。たとえば
基本色に対して20パーセント混入すれば、半光沢(半ツヤ)に
なり、40パーセント入れれば、艶消しになる、といったもので
す。渋川はその昔、艶消し剤という表記を読んで、基本色を塗装
した上から、フラットベースを塗りたくったことがありました。
そういう失敗の積み重ねが、今の渋川金次を支えているのです。



上は、Mr.カラー専用の薄め液。プラシンナーと呼ばれる
ものです。塗料を塗った後の筆を洗浄したり、塗料そのもの
に混入することで、濃度が調節出来る液体です。上の画像は
400ml入りの物で、800円前後で販売されています。
もっと少ない容量の、小さいビンのものも何種類か発売され
ているので、予算と用途に合わせて購入しましょう。渋川は
エアーブラシ塗装で大量に消費するため、いつもこのサイズ
の物を購入しています。また、ラッカー系の塗料はシンナー
の臭いがキツイ
ので、作業中の換気には充分な注意が必要
す。冬でも必ず定期的に窓を開けて、部屋の空気を入れ替え
ましょう。渋川は常に窓を全開にして塗装をしますので、冬
の寒さはとっても身にしみます。            



タミヤ模型
タミヤカラー
エナメルペイント
定価120円/本

こちらも、ちゃんとした模型店ならまず置いているはずの塗料
です。Mr.カラーに較べると、ひとまわり小振りで、四角い
ビンが特徴です。こちらはエナメル系と呼ばれる塗料で、ラッ
カー系に較べて乾燥にかかる時間が長く、塗料の伸びが良いた
め、筆塗りのムラが出難く、深みのある素晴らしい光沢と、鮮
やかな発色が得られる優れた塗料です。しかし、プラスチック
に対する塗装皮膜の食い付きが弱く、キズがついたり、はがれ
やすいため、完成後に動かして遊んだりするロボットプラモの
基本塗装には、不向きと言えるでしょう。では、使う必要が無
い種類の塗料なのかというと、これがリアルな塗装表現に絶対
欠かせないものなのです。まずはだまされたと思って、上の画
像にある3色、フラット(艶消し)ブラック、ハルレッド、フ
ラットホワイトを揃えてください。この3本と、下のエナメル
塗料専用薄め液(250ml入り、400円前後)を活用すれ
ば、あなたの作ったガンプラの完成度は格段にアップすること
請け合いです。このエナメル系塗料は、先にも書いたとおり、
プラスチックに対する塗装皮膜の食い付きが弱いので、いった
ん色を乗せた後でも、専用の薄め液で拭き取れば、きれいに落
とすことが出来るのです。また、ラッカー系塗料の塗装面に重
ね塗りをしても下地を侵すことが無く、やはりきれいに拭き取
れるという特性を持っています。この特性を利用すれば、より
リアルな塗装表現が手軽に出来て、作品のリアル感がアップす
るのです。その具体的な方法は、スミ入れのページにて詳しく
説明していますので、そちらをご覧ください。       
                


ちなみに、冒頭で書きました「3種類」のうち残りひとつは、
アクリル系と呼ばれる塗料で、タミヤアクリルペイントと、グ
ンゼ産業の水性ホビーカラー等が一般的に売られています。塗
装後の筆洗いが、水で出来るという大きなメリットと、エナメ
 ル系同様、発色の鮮やかさと伸びの良さを持っているのですが、
やはり塗装皮膜の強度に不安があることと、なかなか完全に乾
いてくれないことから、渋川はほとんど使っておりません。 
ガンプラのようなロボットプラモを主に作る方なら、基本塗装
はラッカー系、というスタイルが、一番確実だと思います。 

ご意見、御質問をお待ちしています


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