その9

エポキシパテ入門

Part1

大雑把に分けると、ラッカーパテ、ポリパテ、エポキシパテの
3種に分類出来る模型用パテですが、どのような場所に、どう
やって使用するかにより、それぞれの用途に適した物を選択す
る必要があります。ここでご紹介するエポキシパテは、ラッカ
ーパテやポリパテのような刺激臭がなく、硬化するまでの10
〜20分の間は、かなり自由に形状をいじることが出来るのが
特徴で、大きく盛り付けてもヒケや肉やせの心配もほとんどあ
りません。また、硬化後に細かい気泡が出る心配も少なく、ペ
ーパーがけによってなめらかな表面が得られるため、パーツの
スクラッチ等に最適なパテのひとつと言えるでしょう。

上の画像は、ウェーブさんが発売している、ミリプットという
銘柄のエポキシパテ(以下、エポパテ)です。ひとくちにエポ
パテと言っても、様々な銘柄が発売されており、モデラーさん
によってそれぞれ、手に馴染んでいる種類があるものですが、
ここでは私、渋川金次が愛用している、上の画像のミリプット
を中心に解説を進めさせていただきます。どの銘柄でも、基本
的な扱い方はほとんど変わりませんので、エポパテの扱い方の
代表的な参考例として、ご覧いただければ幸いです。


ウェーブさんから発売されているミリプットエポキシパテ。113.4gセット、定価750円で販売されています。似たようなデザインの箱で、ハイグレードエポキシと、軽量エポキシが、同じウェーブさんから発売されていますが、使い勝手がかなり異なるものですので、注意しましょう。

さて、箱をあけると、上の画像のように袋に入ったA剤とB剤の2本が入っております。実はいまだに、どちらがAでBなのかがわからないのですが(汗)ここでは色の濃い方をA、白っぽい方をBとして話しを進めましょう。エポパテは、これら2種類を等量混ぜ合わせることによって硬化するのですが、ここでは、実際に混ぜ合わせる前に行なうべき作業を解説します。
左は、A剤の方をボキリと折った状態です。表面と断面の色がかなり異なっているのがおわかりいただけますね。これは、空気に触れていた表面部分が何らかの変化を起こし、変色した上に固くなっているためなのです。

この状態のまま、A剤をちぎり取ってこねてみると、固くなった表面部分がいつまでたっても全体に馴染まず、B剤と混ぜた場合も、この部分が残って硬化不良を起こし、後々やっかいな事態を引き起こすのです。

とはいえ、固くなった部分を削り取って捨ててしまうというのは、非常にもったいない話。そこで、無駄なく使用するためにひと手間かけてあげましょう。まずは、2つに折ったA剤を、左のようにラップで厳重に包んでやります。

次に、沸騰したお湯を用意し、紙コップ等に注ぎます。くれぐれも火傷などしないよう、十分注意してください。

そのお湯の中に、ラップでくるんだA剤を浸け3〜4分そのまま放置します。小振りの鍋等で、軽く煮るという手もあるのですが、奥さん、またはお母さんに怒られる事は必至なので、この方法がオススメです(笑)

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